ストーリー
この物語で語られる歴史は、“真実”なのか。それとも“虚構”なのか。
無限の自由度を誇るクナウザスでは、真実さえも疑わしい。
クナウザスには、アナケー発祥説、異次元入植戦争、神話戦争、混沌渦暗黒時代などの、様々な超歴史の多様な遺跡が存在し、その発掘が待たれている。
踏破家たちは、命を懸けて遺跡をめぐり、USB(undefined scenery capturing ball)に記録を保存。遺跡がそこにある“意味”を解明する。
遺跡の成仏のために……(もしくは自分たちのために)。
世界
『クナウザス』  それは地球からの入植者、人の形をした奴隷たちの言葉で『新天地』の意味。  長い戦いの歴史を経て、今は11種類(諸説あり)の"共存知的生物種(共知)"が暮らしている。彼らは共存概念を遺伝的に浸透させることによって、他種族を受け入れ、争いを和平的、協力的に解決することで変動が激しい梵子的環境に適応したものである。ゆえに、基本的にはその理想は世界の支配ではありえない。  高次元に存在するクナウザスには、『梵子』と呼ばれる絶対完全統一理論を構築する素子がふんだんに存在する。これは、物質や情報だけでなく、行為、意義、結果、因果、あらゆるものの『中庸』状態にある素子として認識されている。  それは『指先一つでどんな願いでも叶えられる』可能性を秘めている。  かつて混沌の時代、凄まじい力を持った生物群は体内に梵子処理機構を有し、息を吐くように梵子を利用した凄まじい力を行使できた(神巨人や神竜など)。  魔人系劣等種、知恵しかとりえのない魔族系は弱小だったが、生き延びるため、苦心して呪文や身振りなどで自分の精神をデバイスとし、体外にチャンネルを一時的に構築することで他の強大な生物と同等かそれ以上の力を発揮した。  これが梵子術のはじまりであった。以後、長い時の中で失われたり、より力の弱い種族でも使えるように洗練されたりして伝えられたものを、後世の人類社会が体系化し、現代の姿となっている。 もっと知る

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≪3大陸と国々の大まかな歴史と詳細≫
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・フラバン中央大陸
かつて混沌渦の残り香が四方の四大神に追いやられて終結、闇の王ツァルツになったため、ここは長い間瘴気に閉ざされていた。ツァルツの弱体化で人類が入り始め、彼の死亡後は人者入植と開拓戦争の舞台となった。今では最も豊かな国ヒロアと慎ましく牧歌的なアガデス、梵子学の頂点タラムがあり、中央大陸の名に相応しく、国際世界の中枢をになう。

アガデス王国…宗教は創世主教。創世主教では『最も古き国』といわれるが、人者国家としてはそうなだけ(宗教の歴史観はいつも神ベース)。『安寧王の血筋』の王が統べ、騎士はコルタ(蟲脚)という竜のような馬を使って蹴り上げ、ライダーは武器を使わない独特の戦法。米作。首都フラトースの港は優秀な貿易港。入植戦争後期、最初に人者が立てた国だが、他人種も受け入れる。孤児から優秀な者を採用する星騎士団制度が有名だった(今は形骸化)。刺激は少ないが宗教施設など基本的なものはすべて揃い、駆け出しの拠点にはちょうど良いだろう。

ヒロア聖王国…宗教は新創世主教(創世主教より邪悪排斥的、光神に近い)。アガデスが東側の脅威を除くために派遣した開拓軍が、当時『悪寒気(邪悪な完全コピー能力を持つ人種)』に虐げられていた稼動気を助け、邪悪生物を追放して作った国家。武器や術法も使うコルタ騎士を中心にした軍隊は白騎士ともいわれ、世界最強の軍事力。初期は人者と稼動気が主だったが、アガデス的な思想と富国強兵のため、多民族を受け入れた。宗教だけは国教を主とし、他教は外に置かれる。首都はフィランで、欧州的な美しさとのんびりさ、豊かな街経済。かつてはその急激に伸びる国力ゆえに慢心し、帝国の嫉妬を買い、大戦の種となった。超巨大建造物『天を突く塔』が爆破された跡である広大な『遺跡群』地域には、ここでしか手に入らない強力な『神具』と呼ばれる異次元由来のものや恐るべき『堕天使(天使と魔族の子孫)』などと出会うこともあり、レベルは高いが魅力的な場所。主食はじゃがいも(まだ少し邪悪の力が土壌に染みているが、おかげで土壌は不思議な力に満ち、邪悪に強い作物はどんどん増える。諦めを知らない性質の人者達は苦心の末、ある種のじゃがいもが最もこの土地で素晴らしい豊穣をもたらすことを突き止めた。食糧確保の難しいクナウザスにあって、ヒロアが極端に強くなったゆえんがこれ)。

都市国家タラム…かつてヒロアの一都市だった。大陸大戦後、帝国の術法軍事利用研究機関や水神教の雪聖術士を招いて一国の利益でなく、世界福祉のための梵子学研究を掲げ、独立を承認された。大導師が治める。不思議な品や術のことで困ったらここにくればわからないことはないが、行くのはけっこう大変で手続きも必要なので、普通、踏破家は各町の支店であるメイジギルドにいけばよい。『三賢聖』の一人にして『伝える者』と呼ばれる初代大導師カイ・ザードは伝説の英雄であり、森者なので今も世界のどこかを旅しているかもしれない。

ケテルマル公国…アガデスの北の中央大陸では一番古い国。しかし昔からあまり発展しておらず、貴族による搾取的で保守的な国で、目立たない。アガデスからの開拓者も遠征時はこの国を迂回し、今も旅人はその街道を通るので、特に用事がなければ行くこともないかもしれない。


・ウザーポド大陸…古生代後期に中央大陸の一部と二つの大島が衝突してできた大陸。嵐と冷却を司る神に挟まれ、厳しくやせた環境だが、肥沃な鉱山や森林資源、漁業資源など、恵みも多い。闇の王に敗れ、中央大陸より落ち延びた魔導王を名乗ったクルゴードが本拠とし、今は魔国となった邪悪の強い土地もある。

ハーティス帝国…昔から多くの魔族系小国家が乱立していたが、指者が他人種と協力し、ついにこれを統一したもの。巨大な範囲を統べる皇帝の下、公爵位を与えられた権威者が各地区を統括する。統治の乱れと人々の貧しさが次第に中央政権を腐敗させ、そこにつけこんだ新興宗教エスベス(命題教)の暗躍で大陸間大戦を勃発させ、一時世界中を支配しかけ、『世界の狂犬』と言われた。というのは、彼等は『大犬』と呼ばれる巨狼に乗り、手槍を投げる特殊な騎士団だからでもある。指者や魔族系種族が主なため、農業には向かないが鉱物資源も多く、軍事力の増徴につながった背景もある。戦時中は邪悪な術の軍事利用を進めたが、そのせいで魔国ゼナからも嫌われた。今はその力も弱まったが、国際社会の援助を受けつつ健全化を目指している。寒冷地区で農業は弱く、主食は魚や肉、強い酒を好む。指者の開いたシーフギルドの本拠があるらしい。メイジギルドはタラムの支配よりかつての研究機関の権威が色濃く、禁呪等うさんくさい要素も多い。街自体が雑多で、周囲も刺激は多いが甘い考えでいるとやられてしまう場所。

魔国ゼナ…魔導王の統べる魔族や邪悪生物の国。魔導王教が国教。地下深くに住む王の玉座の下に魔界への入り口があるといわれる。かつて『真・偽の魔導王』の件で争いがあった。魔族が好き勝手やることは、すでに人類社会が強大な力を得た現代でかえって魔族の居場所を狭めることになりかねず、住み分けをするため、自由と邪悪を尊ぶ彼等にもある程度の立法が必要との考えがその根幹だが、一般人類が入国して、まともに帰れる保証はない。

バサークローネ…水冠都。水の女神が支配している美しい永久氷土の都市国家。雪聖のふるさと。文化的な美が支配する。術法にも詳しい。レベルが中級以上で帝国を拠点に活動しているなら、タラムのような役割も担ってくれる。周囲には厳しい環境を好む恐るべき魔獣もいるので注意。

砂漠の部族…北のガラシャレーズル砂漠に住む遊牧の民。国というよりバラバラに暮らしている。ここは厳しい場所で、中級以上でなければ敵にやられる前に自然に殺されるだろう。


・ディアネムル大陸
 最も大きな大陸で、北部に大地神、南部ゼレファス地方には火の虚神が住む。ゼレファスは密林や火山の熱帯、北部は草原や台地帯、カルスト地形、山脈など起伏が激しい。

イーマス王国…ゼレファスの国家。密林部族と火神教VS死の焔の宗教戦争など、長い長い戦いの歴史を経て誕生した国家。主に虫者、飛竜者。熱帯らしい開放性が魅力。貿易も盛ん。宗教は火神教。

エウレウ王国…恐るべき者どもが故郷とする密林の裏側にあり、上級でなければあまり行くことはないかもしれない。半漁人ルプルの開いた独特の国。龍人が支配階級ともいわれる。マヤ文明を髣髴とさせる謎の国で、いきなり生贄にされるかもしれないし、歓待され、面白いことになるかもしれない。

ディキルバハーム民主主義人民共和国…かなり古い国。イーマスと相反し、邪教『死の焔』が国教で、その教祖が支配階級。他国からすれば犯罪のような国の有り様も、彼等から言わせれば『伝統』である。国際社会の干渉を受けぬよう、表立った侵略をすることもなく、うまく独自性を保っている。(アフガンやイランのような国に似ているかもしれない)

ロン公国…肥沃なロン草原にはかつて、北のカルストや足穴台地から降りてくる巨人族などの猛者や南のバッフアルから迫る禁者などの脅威があり、人は寄り付けなかった。しかし人者の開拓団は生きるために、その地で苦しんでいた樹曼(VS菌者)や瘤取者(VS青瘤取)と協力して敵を駆逐し、ここに国を作った。商業国家で、軍事力は傭兵が主。もともとこの地方には海軍や海賊が発達していて、これも軍に組みこまれている。金さえあれば…という資本主義的な国で、比較的古風なクナウザス世界にあって、現代っぽい雰囲気がある。踏破家派遣業という一風変わった企業すらある。貿易は非常に盛ん。農業もなかなか。周囲にロンから血みどろの独立戦争を繰り広げたシダンとエルゼリジドという二つの共和国があり、政治情勢はまだ安定したとはいえない。

ポソ王国…大地神を崇拝する瘤取者や雑多な種族(共知ではないが比較的大人しい者)に猫者が居候しているような人種構成。カルスト地形の洞窟内に開かれている地下国家。アナケー地方はエルピースに由来する『無頼品』が出土する可能性があり、脅威も大きいが魅力も多い。旅人には歴史数億年といわれる様々な地下料理がお勧め。


※なお、海は真水。クナウザスでは世界の生物は海から生まれたわけではなく、邪悪と混沌の中から生まれた。

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